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一匹の猫の話

数年前からうちに通ってくる猫がいた。

茶白のハチワレでガリガリの男の子。
うちで世話をしている外猫(不妊手術済み)がいるので、その子らのごはんを
狙ってやってきていた。
首輪をしたとても懐っこい飼い猫で、不妊手術はしていなくて。
母と二人、「どうして不妊手術もせずに放し飼いにするんだろうね」と憤慨
しながらも大きな声で甘える懐っこいその子を『ハナ白』と呼び、外猫の
フードをおすそ分けをしていた。

続けてきたかと思ったら、すっかり姿が見えなくなったりまた来たりを繰り返して
いたハナ白は去年の夏、酷い疥癬に罹っていた。
ガリガリの身体はさらに痩せ細り、顔はゴワゴワに角質化していてああ、これは
もうこの夏は越せないだろうな、と思いつつかかりつけの先生にどこの猫か、
病院にかかったのか聞いてみたけど案の定来ていないとのこと。

そしてまたふっつりとハナ白は来なくなった。
死んでしまったんだろうなとその時は思った。



それから半年ばかりだったか、再び姿を見せたハナ白は完治していないまでも
普通の顔に戻っていた。
病院に連れて行ってもらえたんだ、良かったと。
しばらくはいつもどおり、来たり来なかったりの日々。



ところが平和な日々は続かず、今月の初めに来たハナ白は、また疥癬が
再発していた。
さらに酷くやせ細り足元も覚束ない有様で、うちの人間が出入りするたびに
家の中に入りたがった。
カリカリをやっても食べる元気もなく、缶詰をやると貪るようにして食べた。
父が「撫でてやったら横倒しになって起き上がれなかった」と言っていた。
しばらくしたらやっと起き上がり、ごはんを食べたらいなくなった。



どこの猫かも判らず、どうしてやりようもなく、気ばかり焦る日が続き…
13日の譲渡会から帰ると、ハナ白はキャリーの中に入っていた。
かかりつけの先生のところへ飼い主がハナ白を連れて行ったらしく、やっと
飼い主が判り引き取りに来るとのこと。
話を聞くと、ハナ白は疥癬の他にFIV(猫エイズ)にも罹っていた。

飼い主はわりとうちの近所の農家の年配の方だった。
受け渡しの時に先生も立ち会ってくれて、これからの治療のこととか先方に
説明すると飼い主は一応納得して連れて帰って行った。
どうしてここまで酷くなるまで放っておいたのかと酷く腹が立ったが、治療が
間に合ってくれたらいい。

それだけを思っていた。



けれど、昨日16日。
ハナ白が死んだことを、飼い主の奥さんがお礼の野菜を持って知らせに来たと、
仕事から帰った時に母から聞いた。

ハナ白の本当のは前は『タイガー』だった。

雄猫だから出て行ったら一週間くらい帰らないのは当たり前だったと、自分の
都合のことばかり立て板に水のようにまくし立てて帰って行ったらしい。
ああいう人に飼われたハナ白が哀れだと、母がぽつりと言った。



ちゃんとごはんを貰えていたのか、普通の飼い猫のように撫でてもらっていたのか。
ガリガリのハナ白が必死にうちに入りたがっていた、その姿が忘れられない。
撫でてやったときの、ガサガサの頭と手のひらに当たった尖った背骨の感触が
忘れられない。

腹立たしさを通り越して、今はただただ哀しい。

涙がこぼれて止まらない。

今日はもう眠れそうにない。




猫は飼い主を選べない。

ただ飼っているだけで、病気をしても病院に連れて行かない飼い主が悲しい
ことにまだいるのが現実だ。
どうか自分の飼い猫の様子がおかしかったら、病院に連れて行ってあげて
ください。




ハナ白や。うちの子になりたかったのかい?

今度生まれてきたときは、まっすぐうちに来るんだよ。




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たしかに昔は外飼いでしたね。今もうちの近所は外飼いです。
うちに来る猫もおじさんが亡くなってからは、おばさんが放ったらかしなので、きちゃなくなってるな。
うちの娘たちになついて、よそのおばちゃんが「おたくの猫?」とか聞かれるくらい。
目の前の家じゃなければうちに入れたいですよ。
でもやっぱりよそのお宅の飼い猫だし、滅多なことは言えません。
うちの30年前に飼ってた「しろ」
私が神戸に行っちゃったあと、いなくなって、
4~5年してふらっと帰ってきましたけど、
夏でしたから、毛を刈り込んでもらってました。
よそのお宅でかわいがってもらってたんだろうな。
涙が出ました。
それからまたいなくなり、またふいっと帰ってきて、
それが最後でした。でも痩せてはなかった。
当時、不甲斐なかったわたしには、わずかな救い。

ご冥福をお祈りします。

今晩は。
タイガー君ことハナ白君は、それでも竜田姫さんご家族とめぐり逢うことができて幸福だったと思いますよ。
飼い主さんもどこか後ろめたい後味の悪い思いをされていたのかもしれませんね。懐っこい子だったということは放置はされていたもかもしれませんが体罰などはされていなかったということでしょうし、昔はそれこそねずみ取りの目的で飼う農家が多かったでしょうから特別にご飯を与えなくてもいいと思っていたか与えるとねずみを捕らなくなると考えたのかもしれないと想像します(飼い主さんを擁護するつもりはないのですが・・・びっくりするような誤解をされている方が時々おられるので・・・・)

動物に対する温度差は千差万別で・・・まだまだ私達人間と変わらず感情も愛情もあるのだと理解できる方の方が少ないのが残念ながら現状と感じています。

それでも、少し前ですが・・ネグレクト(放置虐待)されていた沖縄の犬ちゃんが、ご近所の心ある方がネットで書き込んだのがきっかけとなって助けられた事や、神奈川で虐待事件の犯人が逮捕された事、ひとりひとりに出来る事は小さくても自分に出来る事に気づいたときには少しずつでも出来るといいなぁと思っています。

悔しくて悲しい想いをされていると想像して、一緒に悲しむことしかできませんが、改めてハナ白君のご冥福をお祈りします。

ハナ白君、目にうかんでくるようです。
会った事もない私ですが、ハナ白君がいとおしくて涙が出ます。
昔、まだダメダメだった私はハナ白君と同じようなゴワゴワになった顔の猫が玄関からやってきて「入れて~~」と鳴いたとき、触ってやることもできず「ごめんな~だめよ~」と追い返してしまったことがあります。その日から姿を見なくなったあの子。。
当分自分を責めました。
今度私を頼ってきた子は、どんな子でも、せめてなでてやろう・・と、そんな決心をしました。
そんな子への思いや痛みを重ねて今に至っているように思います。ほんとに、自然に外猫が自由に安全に健康に暮らせる世界がこないものかな。。。

ぼるとの母ちゃんさん

うちも昔は放し飼いでした。
(もちろん、不妊手術はしていましたけど)
その子は、姉の子供が生まれたときに出て行ったまま帰って来ませんでした。
母が拾って育てた子だったので当時は随分悲しんでましたが、当時は猫を室内で飼うという認識はありませんでしたね。
ハナ白もそんな昔気質の方に飼われていたんでしょう。
飼い主がいるから私も手が出せませんでした。
悲しいことに猫は「物」だから窃盗や器物損壊になってしまいますから。

「しろ」さんは別宅を確保していたんですね。
戻ってくれなくなったのは悲しいけれど、面倒を見てくれるおうちがあって良かったです。

ユーサネイジアさん

ハナ白、いつも綺麗な首輪をしていたので、虐待はされていなかったと思うんです。
でも、見ず知らずの私達にあそこまで甘えてくるのは、あんまり可愛がってはもらえていなかったのかなと。
おそらくおっしゃる通り、おうちが農家なのでネズミ捕りの目的で飼われていたのでしょうね。
人様の猫なので飼い方にあまり口は挟めませんが、放し飼いをするなら不妊手術をすること、病気なら病院へ連れて行くことはしてほしかったです。
ハナ白の一件は、飼い主によってその子の生き方や寿命が変ってくるということを、認識させられた出来事でした。
たかが猫一匹と思う人と、その子のために悲しんでくれる人。
本当に動物に対する温度差は人それぞれです。

ゆりっちさん

ハナ白のために一緒に泣いてくれてありがとう。
今日は仕事中にも涙が零れそうで大変でした。
ゆりっちさんも同じように頼ってこられたことがあるんですね。
うちの子がいるから無理なことは重々承知してましたが、少しでも家に上げてやればよかったと後悔してます。
昔、無知で不甲斐なかった頃の私は頼ってきた子を守りきれませんでした。
私もそういう子達への想いや反省を積み重ねて今の自分があります。
この手から零れていった子達のかわりに、今腕の中にいる子達を幸せにしたい。
まだまだの私ですがこれからもっと精進していこうと思います。
本当に外暮らしの子が安心して幸せに暮らせる世の中がくるといいのにね。

切ないですね。すべての猫を救えない力のなさとふがいなさを感じるのはこういう時です。猫にカツアゲされやすい体質?のせいか、ノラちゃんたちがよくついて来るんですよね。切なげに鳴きながら。中には明らかに病気とわかるコもいるし。助けられなかった命、すれ違ってしまった命のことを考えながら、自分にできることを精一杯するしかないのでしょうね。

ねこ親さん

神様じゃないんだから全ての猫を救えないのは判りきったことなのですが、それでも悔しくてなりません。
ねこ親さんは猫に頼られやすいオーラを発しているのでしょうか。
本当に切ないですね。
ほんのちょっとのことで、助けられる命と助けられない命に分かれてしまう。
同じ命のはずなのに…と思うといてもたってもいられなくなります。
せめて悲しい運命を辿る子が少しでも減るよう、自分に出来ることをと思います。
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竜田姫

Author:竜田姫
3匹の猫と暮らしています。
ボランティアのお手伝いでステイもしています。

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